ガンギマリでジャズ(やその他音楽)を聴いてみた

以下の内容はフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。

 

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マリファナ大麻)はマサチューセッツ州では合法です」

 

せっかく良い場所に滞在しているということで、キマッた状態で音楽を聴くとどう聴こえるのか、試してみました。以下はそのメモです。

ヤク中の友人は「マジでヤバい」としか言わないのでなるほどと思いつつも、煙草も酒もまったくやらない自分が果たして楽しめるのかという気持ちでした。

結局初めてということでビビり、三口ほど吸って友人に渡してしまったので、あんまりキマらないかなと後悔しつつ自室へ。

ところが戻る途中、ライトがめちゃくちゃビカビカして見える。一点を見つめるとそこだけピント当てたように鮮明な景色。自室にたどり着くころには体もフワフワして顔も勝手にニッコニコになる。幸福感といえるかわからないが、とにかくせりあがってくるものがあり、笑うまいとしてもささいなことで再びニヤけてしまう。

これはヤバいということで早速イヤホンを装着。五感が研ぎ澄まされているため、イヤホンと肌が接している部分はしびれている感じがする。

 

というわけで以下には、キマっている最中に聴いた曲と、そのとき実際に書いたメモを参考に感想を載せていきたいと思います。

ジャズとその他のジャンルにおおまかに分類しました。時系列順ではありません。またこれらの感想はシラフのときとはまったく異なるものである可能性があります。

 

■ジャズ

・Billie's Bounce / Keith Jarrett

スタンダードトリオのキースは情景というよりひたすら自分の世界に入り込む感じなので、何か鮮明なイメージが浮かんできたわけではないが、ピアノの音が左耳と右耳をつなぐパイプを満たしていて心地良い。ピーコックのベースは元々めちゃくちゃ聴こえてくるが、今回は蛇か?と思うくらい曲全体に絡みついてくる。ディジョネットのドラムは鮮明に聴こえすぎて、どこにどんなタムとシンバルが設置されていて、どういう位置にマイクをセッティングしたのかまでわかる。目をつぶると三人が三角形を描き、その中を点として常に動き回っているのが感じられた。

 

・Three Card Molly / Elvin Jones

クインテットの演奏なのでだいたい五角形を描いている。マッコイのピアノが比喩ではなく本当に動き回っている。彼もまた五角形の一部に過ぎないが、グランドピアノの中で聴いているような動きようだ。逆にトランペットとベースはそれぞれ左右に固定され、五角形の外側と内側を行ったり来たりしている。特にベースがハンパなく、思わずニッコニコになる。エルビンはまさに五角系の土台にあたるところを陣取っているが、ディジョネットとはマイクの向きが前後左右逆なようだ。

 

・Stablemates / Philly Joe Jones

上二つと同じような図形のイメージはあるものの、フィリージョーが素晴らしすぎて他があまり聴こえてこない。古い音源のためかドラムキットの像はやや不明瞭だが、シンバルの音がいつにも増して美しい。100回は聴いたドラムソロも新たな発見、驚きに満ちてものすごく楽しい気持ちになる。音の締まり具合がディジョネットやエルビンとは桁違い。

 

・Third World Anthem / Jack Dejohnette

綺麗な四角形。このときは酔いが治まり始めていた気がする。

 

・Words of the Sea / Enrico Pieranunzi & Paul Motian

モチアンの音像のはっきりしたドラムが一音一音光っているように聴こえる。やがてピアノと混ざり合って砂になり、上に登って行って夜空を作り出したり、波を生み出したりしていて、美しさをいかなる器官も介さずに直接訴えてくる。フィリージョーの原始的かつ根源的なドラムに対して、視覚など脳の比較的浅い部分に最大限の問いかけをしてくる感じ。

 

・Mandeville / Paul Motian

音やテンションの違いで波や色がイメージが頻繁に移り変わる。南国にいるかのような穏やかな曲調もあってか、音や声にそうかそうか、わかるよと言ってあげたくなったので言う。幸福感が一番高かったように思う。

 

・Birdsong / Paul Motian & Stafano Bollani

いきなり別の世界へ飛ばされる。暗い雰囲気を楽しむゲームにありそうな感じ。山と山の間にある緑の池に緑の雨が降っている。これらはすべて二人の音が浮かび上がって形を変えることによってできている。

 

・Rain and Dance / Derek Bailey & 田中泯

すべてがなるようになっている。非イディオム的演奏はある意味で最も人間らしくなく、音楽的でないはずなのに不思議だ。だからこそといえるかもしれない。シラフではあらゆる音源の中で最も好きなうちの一枚だが、キマッているとそうでもないかも。

 

・Count Nine / Kei Akagi

スタジオ盤ではないやつ。擦り切れるほど聴いているが、いつもよりタイコの質感がハンパじゃない。ややベースが細いが、きれいな三角形になっている。

 

・Time After Time / Bill Charlap

元々雨に合う曲だとは思っていたが、聴いてみると本当に雨が降っていて驚いた。ヨーロッパの街をコート着て歩いているみたいな映画っぽい光景が見えた。図形のイメージはあまりない。

 

・Take the A Train / 前田憲男, 荒川康男 & 猪俣猛

猪俣猛のレガートの音がめちゃくちゃ刺さってくる。鋭く、曲の骨となっているが図形は感じられない。一瞬雲海を感じた気がするが、いつもは素晴らしく聴こえるドラムソロがややまぬけに聴こえた。

 

・So What / Miles Davis

トニーやハービーとのライブ盤。今でこそチックコリアなどのトリロジーなどがいるが、この時代にこんな現代的な演奏をしていることが驚きだ。ほかに聴いた曲と比べるとやや魅力に欠けるかもしれない。ベースが右上、ドラムが右下、ピアノが左下、テナーが左上という配置。

 

Hey Jude / 本多竹広トリビュートバンド

原曲とは距離のある爆発具合だが、シラフで聴いても涙が出るような板橋文夫のピアノがいっそう素晴らしく舞い上がり、演奏全体として感情に直接アクセスしてきた。繰り返し聴いているため、プロセスが省略されただけかもしれない。

 

・On the Green Dolphin Street / Bill Evans

各々の音、特にエヴァンスの音が意識に直接語り掛けてくる。それ以上でもそれ以下でもなく、そうか、お前はそうなんだな、という感じ。

 

・A Love Supreme, Acknowledgement / John Coltrane

聴き始めた瞬間にキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!となる。いつもより近く、結びつきのはっきりとした右側のベードラに左側のピアノ、サックスが加わり、きっちりとしたひし形を形成している。黒や茶色の混ざった緑色が浮かんできて、濁った感情を思考に直接問いかけてくる。

 

・My Favorite Things / John Coltrane

オラトゥンジセンターでのライブ盤。死ぬ直前であり、最もスピリチュアルに思える演奏をしているのはシラフでも感じられるが、今回は脳のすべての空間が爆発に満たされる。特に鮮明に聴こえるテナーとドラムの隙間に宇宙の音が聴こえる。宇宙と思わせるような音を出していたのはピアノかもしれないが、彼は実際に宇宙に近づいていたと思う。生きていればたどり着くことができたのだろうか。

 

・Miss Ann / Eric Dolphy

以前から数多くいるジャズミュージシャンの中でも別格の存在だと感じていたが、今回の経験はそれを後押しする形になった。まず音が意識に語り掛けてくるのだが、それが魔物となり、世界を覆いつくそうとする。恐怖心や不快感はなく、ただただ凄みを感じる。

 

・Darn That Dream / Thelonius Monk

こちらも別格。ドルフィーもそうだが、音に艶がある。最初は夜だったのだが、すぐに意識に直接語り掛けてきて、椅子に置かれた花束とか色々見せられる。音が情景を生み出すというよりも、音が意識に反射してその光景を見ているようにさせる感じ。モンクの中にどんどん入っていくような感覚。一番深くまでは潜れなかった。

 

 ■それ以外

若干雑かもしれません。

・A Journey to Reedham / Squarepusher

なんかゲーム音楽っぽいやつないかと思ってとっさに思いついた。来るものはないが、整然としてるのがわかり、いつもより良い。

 

・夜に染まるまで / n-buna

なんかはっきりしてていい。リップ音とか聞こえてすごいと思った。

  

・Pyramid Song / Radiohead

元々抱いていたイメージが大きかったこともあってか、大きな変化はなし。

 

・Phosphenes / Idealism

いつもよりはっきりと聴こえる。実際に見えるというよりはイメージがより鮮明になる感じ。

 

・Stairway to Heaven / Led Zeppelin

思いのほか情景がはっきりと浮かび上がってくる。すべての楽器があるべき音を出している。やがて天国にたどり着くが、フワフワした感じではなく、神話でイメージされるようなもの。

 

・After Hours / The Velvet Underground

子どもの描いた絵がめちゃくちゃ見えてくる。普段のイメージがより拡張された感じかも。

 

・Deserve / Starry Cat

いつも通り。より鮮明にローファイが感じられた。

 

・Olsen Olsen / Sigur Rós

特にベースが冷たく、より質感のあって世界が鮮明に聴こえた気がしたが、冬の下校時に聴いたときもこのぐらいだった気がする。

 

・Evening Scars / William Basinski

元々持っていたサイバーパンクというイメージがより鮮明に、具体的に描き出される。回る歯車やヘリコプターなども見える。

 

・3 Little Pieces For Cello & Piano / Anton Webern

 シラフでヴェーベルンを聴くときよりずっと美しく、画家が描いた絵のようで同時にゼルダの伝説の世界のような気もする。ほかのミュージシャンよりもセリー的な一音一音に意識がいき、サイバーパンクな世界が見えたり、情景といえる情景がすべてここにあるのではないかという気がした。

ちなみにこのあと聴いたG線上のアリアでは世界が無限に広がっていくような気がした。

 

 

 

以上です。首のゴキっという音がやたら気になったりしたものの、大きなバッドにも入らず良かったと思います。ちなみにマンチはほぼありませんでした。

なにかものすごい幻覚が見えているように受け取れてしまうかもしれませんが、基本的には普段のイメージがより鮮明になるという感じです。人によってかなり感じ方は変わると思います。

 

今回は話も急だったのでパッと思い浮かんだ曲を手当たり次第に聴いてみました。メモもかなり雑ですが、また機会があればそれまでに聴く曲をリストにまとめるなどして準備しておきたいです。

次はクラシックをもう少し試すのとサイケ、ワールドミュージックあたりでしょうか...