雪の降る日

地下室でぼくの頬をなでようとした

その傷だらけの手は

首を絞めることを厭わないのに

触れることさえためらう

こどものように歌ってみても きみは

泣くことも笑うこともできない

きみがつまずいてみてできた傷は

その手の傷とは似ても似つかない

夢から夢へ

そしてついには醒めた夢の中で

手にまとわりつく鈍い痛みに 恍惚を見出すとき

きみはその手で踏み出すことができるだろう

雪の降る日に